美肌一族

これが初代の美肌一族。
もう1つのストーリー

紗羅と咲、宿命の女の戦い 14話

車を降りた紗羅は、美肌家と書かれている大きな門を一人でくぐり、
しばらく歩くと、昔ながらの大きな洋館がそびえ建っていた。
「ここがお母様の育った場所・・・」
母が育った場所だという感慨深い思いと、これから自分の身に起こるであろうことへの漠然とした不安が入り交じり、紗羅は緊張していた。
すると洋館の扉が開き、使いの者が出てきた。
「ようこそ紗羅様。どうぞ、こちらへ」
洋館の中に導かれた案内された先は、花が咲き乱れる庭の中の温室だった。
温室の中にある白いテーブルの前に車いすの女性が座っている。
「やっと会えたわね、紗羅。わたくしは美肌家の当主、美肌朶李亜(ダリア)」
「!!!」紗羅はダリアのそのかつて見た事もない程の美しさに息を呑んだ。
「・・・そして、あなたの祖母でもあるわ。ずっと、逢いたかったわ。紗羅、こちらにいらっしゃい」
両手を広げたダリアに紗羅は吸い込まれるように近づいた。
「あなたが、わたくしの・・・」
紗羅はダリアの胸に顔を埋めた。
ダリアの胸に包まれた紗羅の胸中には、亡くした母・真貴への気持ちがこみ上げて、涙があふれ出してきた。
「・・・もう、何も心配することはなくてよ」
紗羅の頭を優しく撫でるダリア。
しかし、その瞳は妖しくキラリと光っていたのである・・・。