美肌一族

これが初代の美肌一族。
もう1つのストーリー

紗羅と咲、宿命の女の戦い 31話

「紗羅くん、これはうちの・・・美肌エージェンシーの不徳の致すところだ。本当に申し訳ない!」
大河内取締役は、紗羅の手を握り、ひたすら謝罪した。
紗羅は静かに
「いいえ、誰のせいでもありませんわ。ただ、わたくしとは縁がなかった、それだけですことよ。そうですわよね?」
と優しく微笑みながらこう答え、大河内取締役の手をそっと握り返した。
そのとき楽屋をノックする音が聞こえた。
「お入りになって」
紗羅がそう告げると、ゆっくりと楽屋の扉が開いた。
そこにはかつて頂上を争ったことのある女性――祐天寺咲が立っていた。
「お久しぶりね、美肌紗羅さん。いえ、財乃宮紗羅さん、ですわよね?」
「祐天寺・・・咲さん? まあ本当にご無沙汰しておりますわ!
貴女のご活躍は海を越えて伝わってきておりましたわ!
こんなところでお逢い出来るなんて!」
「まぁ、わたくしのことを覚えて下さっているなんて・・・実は・・・今回の広告の件でお詫びさせていただきたいの。こんなことになるとは存じ上げなくて」
「え? どういうことかしら?」
「今回のボッテガ・タバサの広告モデルは急遽わたくしがつとめることになったのよ。でも今日こちらに来て事の自体を知ってしまい・・・わたくし・・・いたたまれなくなって・・・」
ショックの色を隠せない紗羅だったが、すぐさまつとめて明るい笑みを浮かべた。
「・・・そうでしたの。咲さん、どうかお気になさらないで。」
「紗羅さん!わたくし頑張って務めさせていただくわ!貴女のためにも。ねぇ、紗羅さん、わたくしたちはこれからも良きお友達でいましょうね。何かあったらいつでも連絡をいただきたいわ」
そう言って紗羅に抱きついた咲の瞳は妖しく光っていたー。