美肌一族

これが初代の美肌一族。
もう1つのストーリー

紗羅と咲、宿命の女の戦い 26話

「あら、わたくしの名前をご存知? 光栄だわ、 櫻小路さん」
「祐天寺咲さんを知らない人なんていませんよ!
でも、どうして僕のことを?」
咲は妖しげな笑みを浮かべながら
「フフ、少しお時間よろしいかしら?」
と達哉を誘い出して行った。
「それにしても、祐天寺さんが僕に話って、いったいなんでしょう?」
生まれながらにして櫻小路家という財閥名家に生まれた達哉ですら来ることのないのような超高級BARに二人は来ていた。
「無理を言ってごめんなさいね、櫻小路さん」
そう言いながら咲が上着を脱ぐと、達哉の目の前には咲の深紅のドレスの胸元がぐっと大きく開いていた。
「い・・・いえ」
恥ずかしそうにたじろぐ達哉を尻目にみながら咲は隣に腰をおろした。
そして最高級のシャンパンが入ったグラスで二人は乾杯をした。
「今宵に乾杯♥」
シャンパンを一口飲んだ咲から口火を切って話しをはじめた。
「実は櫻小路さんのお父様には、随分前からお世話になっていますのよ」
「えっ? 親父とですか?イヤーそれは知らなかった!
親父がこんなに美しい方と知り合いだったなんて!」
「まあ♥お世辞がお上手ですこと。実はね、我が社のPR業務の一括を櫻小路さんにお任せしたいと思っているの・・・それでね、達哉さんとお呼びしてよろしいかしら?」
無邪気に微笑む達哉の内股あたりに、そっと咲が手を置いた――。