紗羅と咲、宿命の女の戦い 6話
イタリア・ローマ。
旧華族や財閥、政界などの恵まれた子どもたちだけが入学できる寄宿舎、『センチメンタル大聖堂女学院』がそびえ立っている。
日本人が初めて入学を許可された生徒:財乃宮家の一人っ子紗羅は、朝礼のチャイムが鳴り響く中、閉ざされた正門前でじっと塀を見つめていた。
次の瞬間、なんと!彼女は塀をよじ登ろうとした。
「財乃宮紗羅嬢!」、
風紀委員長が門によじ上ろうとする紗羅に向かって、ものすごい剣幕で迫って来た。
「きゃっ!」
体制を崩し倒れそうになる紗羅。
「危ないっ!」
倒れそうになる紗羅の身体を抱きかかえてくれたのは、一人の青年であった。
「やんちゃだな、いくら遅刻しそうだからって。君の通う学院はそんなおてんばはいないはずだろ?」
「あ...ありがとう、助けてくださって。あなたは?」
「聖ロマンス大聖堂学院男子部4年生の櫻小路達哉。またね、おてんば嬢!」
そういうと達哉は倒れた自転車を起こしまたがると、颯爽と走り去ってしまった。
「紗羅さん、あなたという人は!今日から最上級生になるのですよ、もっとしっかりなさって!あとでシスター室にいらして!!!」
「ごめんなさい、風紀委員長...」
紗羅はしょんぼりと門をくぐった。