紗羅と咲、宿命の女の戦い 7話
「紗羅、ごきげんよう。見たわよ、日本の女性はあのようなことをしてまで遅刻を阻止するのかしら?フフ」
綺麗なブロンドの巻き髪が美しいマリアンヌが、紗羅の後ろから声をかけた。
「ごきげんよう、マリアンヌ。でもね...わたくしたちはもう20歳を過ぎてますのよ。いい加減自由が欲しいですわ!たまには夜更かしくらい、許して欲しくなくって?!」
不満そうに紗羅はこう答えた。
「ところで、紗羅。先ほど助けてくれた男の子は日本人よね?知り合いなの?確か、達哉・櫻小路という名前だったかしら?」
「マリアンヌ、あの方の名前をなぜ知っているの?なんだかとても迷惑をかけてしまったわ...」
「紗羅、我が学院グループの中で最も美しい東洋人と名高い男の子よ!同じ国の選ばれし殿方をなぜ知らないのかしら?!あぁ、紗羅、あなたはいつまでもマンガやアニメのヒーローしか興味がないのね」
「確かに近くで見ると美しい輪郭だったわ...でも、わたくしのヒーローアムロには適いませんわ!」
そう言うと紗羅は、教室の中に駆け込んでいった。
「まったく...紗羅という娘は。あれが日本の国のお姫様だなんて...」
マリアンヌも続けて教室に入っていった。