美肌一族

これが初代の美肌一族。
もう1つのストーリー

紗羅と咲、宿命の女の戦い 17話

「真貴の様子がおかしいと報告があったのは、そう、あのときからよ」
「あのとき?」
「そう、貴女がカリスマ雑誌グランプリ大会に出場してからだった」
「えっ? あのコンテスト以降からですって?!」
周りからは紗羅をグランプリに推す声が多いなか、グランプリを獲得したのは祐天寺咲。
その不可解な選出に疑問の声も多数あがった。
そして、紗羅はコンテスト終了後、颯爽と日本を離れイタリアに留学したのである。それが紗羅にとって母・真貴との最期になるとはもちろんそのとき紗羅には知る由もなかったのである。
死を選ぶ前夜、あの娘は電話口で声を殺して泣いていた」
紗羅は身をこわばらせ、固唾を飲み膝の上でグッと手を握りしめている。
「真貴はこう言ったわ。自分がこれ以上生きていると、紗羅が不幸になってしまう・・・だから、わたくしに、貴女を、そして美肌家を守ってほしいと!!
それだけ言って電話は切れてしまったわ。そして次の日に・・・」
「おばあさま・・・」
ダリアは声を詰まらせ肩を震わせながらも、気丈に続けた。
「真貴の遺言を読んだのね? そして、貴女はここに来た――」
紗羅は、ゆっくりと頷いた。
「お母様の意思を、受け継ぐ覚悟を致しましたわ。そして、お母様が何に苦しめられていたのか、真実を知りたいのですわっ!」