美肌一族

これが初代の美肌一族。
もう1つのストーリー

紗羅と咲、宿命の女の戦い 18話

紗羅の祖母であるダリアは目を閉じながら続けた。
「真貴からの遺言。それは、この美肌家を継ぐということね?」
紗羅はダリアをじっと見つめ、覚悟を決めたようにうなづいた。
「貴女がコンテストに出場した頃から、美肌家に何者かが関わってきたの」
「いったいそれは?」
「そう、コンテストに出場した直後だったわ。脅迫電話めいたものがかかってきた。『美肌家の血を継ぐ最後の娘をようやく見つけた・・・これ以上美肌家の血を存続させてはいけない』という恐ろしい電話だった」
「それは・・・もちろんお母様にも・・・」
ダリアは眉間に皺を寄せながら、おそらく真貴は紗羅の身の危険を感じコンテスト終了後に海外へ留学させたんだろうと告げた。
「美肌家を継ぐ者の条件は、美肌家の血と肌を持つ者。これまでも美肌家の後継者を狙う遠縁の一族の争いは絶えなかった。
だけど、真貴の遺志とわたくしの意思は同じよ、紗羅。美肌家を継ぐ者は、 あなたしかいない! そして、なぜ真貴が自ら命を絶たなければならなかったのか、その真相を調べて欲しい」
財乃宮家の長女として、何不自由なく生きてきた紗羅にとって、これから試練の人生が待ち構えようとしていた――。
「紗羅、覚悟を決めたのなら、あなたは変わらなくてはいけない。今のままでは、あなたは身も心も潰されてしまう!」
数日後、紗羅は、姿をくらましてしまうのであった。