紗羅と咲、宿命の女の戦い 3話
「皆様、大変長らくお待たせいたしました!『第1回teenage読者モデルコンテスト』栄えあるグランプリに輝いたのはっ...!風祭審査委員長、発表の程、よろしくお願い致します!」
「...発表します...第1回teenageグランプリ...エントリーナンバー...3番、祐天寺咲さんです...」
輝かしい発表とは逆して、暗い表情で風祭は受賞者の名前を発表した。
発表が終わり、楽屋口では、グランプリ受賞者のインタビューが行われていた。
未来の大スターのポジションを約束されたようなその受賞者にマスコミはよってたかって質問とフラッシュを交互に浴びせていた。
「おめでとうございますっ!祐天寺咲さん!今のお気持ちはいかがですか?」
「...本当に信じられません。まだ夢を見ているようで...」
「この喜びを誰に伝えたいですかっ?!」
「もちろん、わたくしを育ててくれた神戸にいる両親に、です」
「咲さんみたいな美しい方だったら、ボーイフレンドなんかはたくさんいるんでしょっ?!」
「...イヤん、恥ずかしいですわ。わたくし男性とお付き合いしたことなんて一度もございませんのよ...」
グランプリを受賞した祐天寺咲を取り囲む取材陣のほとんどが男性で、同じく取材に来ていた女性マスコミ関係者は少し離れた場所で、そのインタビューを見守っていた。
「いやぁ...まだ17歳なのに、なんか色気があんだよなー、祐天寺咲」
「6番の財乃宮紗羅も良かったけどな」
「審査員が男ばっかだったからかな?21世紀の小悪魔の誕生だぞっ!」
咲の取材を終えた男性陣のほとんどが咲の毒牙にかかったらしく、絶賛した。