紗羅と咲、宿命の女の戦い 4話

「なんで、あの娘なのっ！3番がダントツだったでしょ？！審査員の目は節穴なのっ？！」
このprojectを当初から追いかけていたTVワイドレポーター高松七恵は、怒りをあらわにしていた。
とそこに風祭が通りかかった－。
「審査委員長っ！なぜ彼女を選んだんですっ！？コンセプトやイメージを考えると、どう見ても財乃宮紗羅だったのでは！！」

高松七恵は、風祭に全身で噛み付いた。
「．．．審査員全員で決めたことだ．．．急ぐんで、失敬っ」
風祭は高松を一度も見ずにこう答え、その場を後にした。
一方、審査会場では、審査委員長以外全員が揃っており、風祭の戻りを今か今か、と待ちわびていた。
戻るやいなや、
「委員長！なんで6番になったんですかっ？！」
「わたしたちは、3番の財乃宮紗羅で決定したではないですかっ？！」
審査会議で決定したはずの財乃宮紗羅の名前が呼ばれなかったことに、審査員一同は驚きを隠しきれなかった。
「いったいどういうことなんですっ！？委員長！！」
詰め寄られた風祭は、窓を眺めながら、たばこに火を着けるとゆっくりと口を開いた－。
「メインスポンサーのお達しだ．．．会場に向かう途中、携帯に連絡があった。これ以上は勘弁してくれ」
「しかし！そのようなしがらみなく選定しようという協定があるじゃあないですかっ！」
要領を得ない風祭の答えに審査員たちは苛立っていた。