美肌一族

これが初代の美肌一族。
もう1つのストーリー

紗羅と咲、宿命の女の戦い 39話

「えっ?日韓交流ドラマのヒロイン?わたくしが?」
「えぇ!そうよ!あのCMの一件は残念だったけれど、でもね!やっぱり紗羅!貴女の人気は不動のものよ!」
鮫島女史は意気揚々と話し続けた。
「紗羅、貴女の相手役はね、あの♥アジアプリンスこと、イ・チャンヒョクよ!どうも彼が貴女を指名したようなのよ!毎日の撮影が楽しみだわ!」
「アジアプリンス・・・さん?初めて伺う名前だわ。でもわたくしには達哉さんしか目に入らなくってよ。たとえどんな素敵な男性が目の前に現れても♥」
そう微笑みながら、紗羅は取材先のスタジオに入った。
「まぁ!紗羅ったら!達哉さんとのバカンスがとても充実したようね。恋のパワーって本当に凄い・・・貴女の肌は本当に艶やかで潤ってる。女の私が見ても嫉妬するくらい」
あの降板事件以来すっかり体調を崩してしまっていた鮫島女史であったが、紗羅の驚異の立ち直りを見て、自分ももう一度頑張らなければ、と奮起した。
「さぁ!私ももっと頑張らないと!」
鮫島女史が車のエンジンをかけた時・・・車の前に人が現れた。
「鮫島さん、少しお時間いただけますか!」
芸能リポーターの高松七恵であった。
「あなたは、高松さんだったわよね?」
鮫島女史は車の窓を開けながら話しかけた。
「抜かりのない仕事ぶりでは定評のある鮫島さんが、先日の紗羅さんの降板劇をどう判断されているのでしょうか?」
「・・・さすが高松さん、よくご存知ね。不運としか言いようがないわ。でもこのことは絶対極秘でお願いね。」
「もし、例えばもし誰かの陰謀だとしたら?そのようにお考えになったことはありません?例えば、祐天寺咲とか・・・」
「確かに祐天寺咲と紗羅はよきライバル。でも、紗羅はまだまだデビューしたばかり。咲の足下にも及ばない。それに祐天寺家とは非常に親しくさせてもらっているわ」
「じゃあ、これをご覧になっても、同じことが言えますか?!」
高松七恵がある写真を差し出した。