美肌一族

これが初代の美肌一族。
もう1つのストーリー

紗羅と咲、宿命の女の戦い 47話

「まぁ、そうだったの。。わたくし何も知らないでお食事に誘ったりして、ごめんなさい」
達哉の自殺未遂騒動で一回りも痩せてしまった紗羅と、食事を終えた祐天寺咲はこう言いながらコーヒーカップをおいた。
「咲さん、お逢い出来てよかったわ。わたくし少し気がめいっていましたの。ここのランチもとても美味しかった」
そう言って上品な笑顔を見せた。
お化粧直しに向かう紗羅を、レストランの女性客のほとんどが羨望のまなざしで見つめている。
ハイクラスの女性しか集まらない場所で、それでも紗羅はダントツに輝いていた。
「乾燥が気になるこの季節は、シートマスクは欠かせませんの。大切なのは毎日続けることかしら。マスク時間も守っていただきたいわ。もちろん、新・美肌一族シートマスク で、ね♥ウフフ!」
美肌の秘訣を尋ねられた紗羅は、にこやかに応えている。
ー紗羅、こんなときでも笑顔を見せるのね。その笑顔、いつか曇らせてやりたい!ー
咲は嫉妬と憎悪の目を紗羅に向けていた。
咲とのランチを終えた紗羅は、いつものように達哉が入院している病院に向かった。
「美肌紗羅様、本日は旦那様の使いの者がおりませんので、どうぞ中へ」
毎日通い続ける紗羅に心を打たれた櫻小路家の執事の思いがけない言葉だった。
1ヶ月ぶりに見る達哉は顔色が随分良くなっていた。
「達哉さん・・・わたくしのこと、なんにも憶えてらっしゃらないの?」
紗羅は、ずっと窓を見つめている達哉の手を握りながら話しかけた。
「達哉さん!お願いよ!こちらを見て・・・」
紗羅の言葉に反応した達哉は、ゆっくり紗羅の方を見た。
「紗・・・羅・・・?」
「達哉さん!わたくしがお分かりになるの?!」
「キミは・・・ダレ・・・?紗羅に・・・逢い・・・たい・・・ウっ!頭が割れそうだ!」
達哉は急に頭を抱えて悶えはじめた。
「誰か!誰かっ!先生を!達哉さん、しっかりして!」